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毎日磨いているのに「歯石」ができるのはなぜ?矯正前に知っておきたい!歯医者でしか取れない理由

こんにちは。

自由が丘シーズ歯科・矯正歯科です。

本日は歯石について考察してみました。

「毎日欠かさず磨いているから、自分は大丈夫」と思っていませんか?実は、どんなに丁寧に磨く人でも、数日後にはお口の中に「石」ができてしまう可能性があるのです。20〜40代の働き盛りの方や、これから矯正で美しい歯並びを目指す方にとって、この「石」=歯石の放置は、想像以上のリスクになります。

歯石とは・・・正体は「細菌のマンション」約80%がリン酸カルシウムなどの無機成分(ミネラル)で、残りが細菌の死骸やタンパク質です。歯磨きで落としきれなかったプラークが、唾液に含まれるカルシウムやリンを取り込み、早ければ2〜3日で石灰化(石のように固まること)が始まります。

歯石は単なる汚れではありません。歯垢(プラーク)が唾液の成分で固まった、いわば「細菌の死骸と生存者が入り混じる化石」です。石をイメージしてください。表面がザラザラしていますよね? 歯石の表面も非常に粗造(ザラザラ)で、そこにさらに新しい生きた細菌(プラーク)がこびりつきやすくなります。一度歯石ができると、その上には「最強の細菌の隠れ家」が完成してしまいます。また、歯石は歯に強固にこびりついているため、歯ブラシやフロスでは絶対に取れません。 放置すると、その隠れ家の中にいる細菌が歯ぐきに炎症を起こし、歯周病を悪化させ、最終的に歯を支える骨を溶かしてしまいます。歯ブラシでは絶対に落ちない「細菌のバリア」と化します。

 

歯石を取るべき根拠は、単なる「お掃除」というレベルを超え、「歯を支える骨を守るため」および「全身疾患を予防するため」という明確な医学的エビデンスに基づいています。

近年の論文では歯石に付着した細菌が引き起こす慢性的な炎症が、炎症性物質(IL-6やCRPなど)を血中に放出させ、それが血管壁の炎症(動脈硬化)を促進することが明らかとなっています。お口の中の炎症は、血管を通じて全身に火種をばらまいているようなものなので、歯石を取ることは、その火種を根本から消す作業となります。

また、台湾の約10万人を対象とした大規模な追跡調査によると年に1回以上の歯石除去のスケーリングを受けている人は、受けていない人に比べて、心筋梗塞のリスクが24%、脳卒中のリスクが13%低下したと報告されています。歯医者での定期的なクリーニングは、単なるエチケットではなく、将来の心筋梗塞や脳卒中を防ぐための『健康への投資』とも言えます。

また、矯正装置(ブラケット)による物理的な刺激と、歯石による細菌の蓄積が合わさると、「歯肉退縮(歯ぐきが下がる)」「歯槽骨の吸収」が加速するリスクが指摘されています。矯正を成功させるための必須条件の一つとして、歯石のない清潔な環境が重要と言えます。炎症がある状態で歯を動かすと、歯を支える骨がダメージを受けやすくなるため、当院ではクリーニングを行いながら矯正治療を進めていきます。

参考文献

  • Chen ZY, et al. Effect of dental scaling on myocardial infarction and stroke risk: a nationwide population-based study. Am J Med. 2012;125(6):568-75.
  • Tonetti MS, et al. Treatment of periodontitis and endothelial function. N Engl J Med. 2007.

 

監修者

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自由が丘シーズ歯科・矯正歯科 理事長 山口雅章

2005年昭和医科大学歯学部卒業、研修医終了後に昭和大学歯科矯正学教室勤務。2011年自由が丘シーズ歯科・矯正歯科開設。

所属:日本矯正歯科学会、東京矯正歯科学会、成人矯正歯科学会、日本舌側矯正歯科学会、日本包括的矯正歯科学会、日本顎関節学会、日本デジタル歯科学会、日本3Dプリンティング矯正歯科学会