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リテーナーについてよくある質問【チェックお願いします】
こんにちは。
自由が丘シーズ歯科・矯正歯科です。
矯正治療が終わり、装置が外れてすっきりした後、実はとても大切なのがその後の“保定期間”です。
装置が外れると「もう終わり」と感じてしまい、リテーナーの装着がおっくうに感じる方も少なくありません。
ですが、リテーナーをしっかり使用しないと、歯は元の位置に戻ろうとする“後戻り”が起こる可能性があります。
せっかく整えた歯並びを維持するためにも、この期間はとても重要です。
今回は、患者さまからよくいただくリテーナーに関するご質問についてお答えします。
■Q1:矯正が終わったら、リテーナーはどれくらい使い続ける必要がありますか?
A:少しずつ装着時間は減らしていきますが、「完全にやめていい」とはお伝えしていません。
歯は、動かした直後はまだ安定しておらず、元の位置に戻ろうとする性質(後戻り)があります。Reitanらの研究によると、骨が固まった後でも歯肉繊維(歯ぐきの組織)が後戻りの大きな原因となると示しています。骨は数ヶ月で固まり始めますが、歯ぐきの繊維が新しい位置を『自分の居場所』として覚えるには、1年近くの時間がかかります。Reitanの研究が示す通り、この期間の保定を怠ると、歯ぐきの弾力によって歯は簡単に元の位置へ引き戻されてしまうのです。1年以上経過した後も歯は動く可能性があります。矯正治療をしていない方でも、舌や口唇圧の力や親知らずや歯ぎしり・食いしばりなどの影響や加齢や歯周病による歯を支える骨の減少により、歯並びやかみ合わせは少しずつ変化していきます。また、加齢と共に歯が前方へ寄ってくる傾向(下顎前歯のガタガタ)があります。そのことも考慮すると、リテーナーの使用は歯磨きと同じように一生習慣化していくことが理想とされます。
当院ではリテーナーの使用時間を以下のような目安でご案内しています。
・1年目:20時間以上(食事・歯磨き以外は装着)
・2年目:12時間以上(就寝時+半日)
・3年目以降:6時間以上(就寝時)
このように徐々に装着時間を減らしていきますが、歯並びの安定や将来的な変化を考えると、「全く使わなくてよい」という状態は基本的にはありません。長く良い状態を保つためにも、無理のない範囲で継続することをおすすめしています。
■Q2:リテーナーはどのタイミングで作り直した方がいいですか?
A:リテーナーは“消耗品”のため、状態に応じて作り直しが必要になります。
装置を外した直後は歯がまだ安定しておらず動きやすい状態のため、破損や紛失があった場合は早めの再製作が重要です。「どのくらい使い続けられるか」については、使用環境にもよりますが、数年ごとの作り直しや、早い方では数ヶ月で作り直しが必要になることもあります。
特に透明なマウスピースタイプ(クリアリテーナー)は歯全体を覆う構造のため、日々の使用や歯ぎしり・食いしばりなどによって、すり減りや穴あき、ひび割れなどが生じることがあります。
以下のような状態は作り直しのサインです。
【クリアリテーナー(マウスピースタイプ)】
・ひび割れや欠けがある
・穴があいている
・装着時にフィット感が弱くなった
・変形している
・においや汚れが強く、落ちにくい
【プレートリテーナー(取り外し式・レジンとワイヤータイプ)】
・ワイヤーが変形している、広がっている
・プラスチック部分(床)が割れている・欠けている
・装着時にゆるい、またはきつく感じる
・違和感が強くなった
【裏側(舌側)のFixワイヤー】
・ワイヤーが外れている、浮いている
・接着部分(レジン)が取れている
・舌に当たって違和感や痛みがある
いずれのリテーナーも、異常があるまま使用を続けると歯の後戻りや、お口の中を傷つけてしまう原因になることもあります。
Fixワイヤーリテーナーは歯の裏側に接着しているため、自分で不具合を見つけるのが非常に難しいです。また、リテーナーは種類によって破損の仕方や劣化のスピード、作り直しにかかる期間も異なります。そのため、気になる症状がある場合は、当院で3カ月~半年ごとにご案内している定期健診の際にご持参いただくか、お電話にてお気軽にご相談ください。
整えた歯並びを長く維持するためには、リテーナーの使用がとても大切です。
正しい使い方と適切な管理を心がけましょう!
参考文献:
- Reitan K. Tissue behavior during orthodontic tooth movement. Am J Orthod. 1960.
- Little RM, et al. Stability and relapse of dental arch alignment. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 1988.
- Piancino MG, et al. (2026/MFT関連研究)
監修者
自由が丘シーズ歯科・矯正歯科 理事長 山口雅章
2005年昭和医科大学歯学部卒業、研修医終了後に昭和大学歯科矯正学教室勤務。2011年自由が丘シーズ歯科・矯正歯科開設。
所属:日本矯正歯科学会、東京矯正歯科学会、成人矯正歯科学会、日本舌側矯正歯科学会、日本包括的矯正歯科学会、日本顎関節学会、日本デジタル歯科学会、日本3Dプリンティング矯正歯科学会

