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歯の先天性欠損について
こんにちは。
自由が丘シーズ歯科・矯正歯科です。
本日は歯の先天性欠損についてまとめてみました。
歯の先天性欠損とは生まれつき歯がない事ですが、Polderらの研究によると過去数十年間、永久歯(親知らずを除く)の欠損率が約2.2%〜10.1%であることを示しました、また下顎の第二小臼歯(前から5番目の歯)が最も欠損しやすい事を統計的に調べました。2番目に多い欠損部位は上顎の側切歯(前から2番目の歯)になります。
原因としては遺伝要因が考えられ、そのメカニズムを調べた論文が存在します。
Vastardis (2000)
論文名:The genetics of human tooth agenesis: New discoveries for understanding dental anomalies.
掲載誌: American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics
内容:MSX1やPAX9といった主要な遺伝子変異と欠損パターンの関連を調べています。。
Stockton et al. (2000)
論文名:Mutation of PAX9 is associated with oligodontia.
掲載誌:Nature Genetics
特定の家系において、PAX9遺伝子の変異が多数歯欠損(オリゴドンティア)の原因であることを突き止めた論文です。
治療法としては
欠損部位が大きなスペースになってしまったり、臨在する歯がスペースに傾斜してきたりする可能性があります。また、永久歯が欠損している場合にはその交換予定だった乳歯がそのまま抜けずに残存するケースもよく見られます。乳歯は歯根が短く、永久歯に比べ神経まで虫歯菌が到達しやすい事もあるため、残存する場合でも永久歯に比べ長期的に残る可能性は低くなります。治療は歯列矯正にてスペースを閉じるか、逆にスペースを確保してインプラントなどの人工の歯を将来的に入れるかになります。顎の発育がある程度終了し、成人の骨格になり、永久歯が生え揃った時に最終的な治療を行うことが多いです。インプラントは骨密度や骨の厚みなどを考慮して行う時期を決めなければなりません。
まとめ
頻度: 人口の約5〜10%に見られる比較的ポピュラーな症状である。
部位: 下顎の第二小臼歯や上顎の側切歯が最も欠損しやすい。
原因: 遺伝的な要因(特にMSX1, PAX9, WNT10A遺伝子など)が強く関与している。
補足として歯が小さい矮小歯や歯が多い過剰歯、歯がくっている癒合歯とも関連性があると言われています。MSX1やAXIN2は欠損だけでなく歯の形態異常(矮小化)も同時に引き起こすことが明らかになっています。また、上顎の側切歯(前から2番目の歯)において、片方が欠損している場合、もう片方が尖った小さな歯になるケースが統計的に有意に高いことが報告されています。
監修者
自由が丘シーズ歯科・矯正歯科 理事長 山口雅章
2005年昭和医科大学歯学部卒業、研修医終了後に昭和医科大学歯科矯正学教室勤務。2011年自由が丘シーズ歯科・矯正歯科開設。
所属:日本矯正歯科学会、東京矯正歯科学会、成人矯正歯科学会、日本舌側矯正歯科学会、日本包括的矯正歯科学会、日本顎関節学会、日本デジタル歯科学会、日本3Dプリンティング矯正歯科学会
