ブログ
BLOG
朝起きるとアゴが痛い…咀嚼筋の『筋トレ化』を防ぐ、歯を痛めないリラックス法
「朝起きたとき、なぜかアゴの周りがだるい、重い」 「寝ている間に、奥歯をギューッと噛み締めている気がする」
もしそんな自覚症状があるなら、あなたのお口の中で咀嚼筋(そしゃくきん:噛むための筋肉)が、睡眠中に激しい「筋トレ」をしてしまっている可能性があります。
本来、体を休めるための睡眠時間ですが、アゴの筋肉が働きすぎてしまうと、歯や顎関節に甚大なダメージを与えてしまいます。今回は、その原因と、今すぐできるリラックス法について解説します。
1. 夜間にアゴが受けている「驚くべき破壊力」
私たちは日中、食事のとき以外は基本的に上の歯と下の歯を離して過ごしています。
しかし、睡眠中の「歯ぎしり」や「食いしばり」が起きると、アゴを動かす咬筋(こうきん)や側頭筋(そくとうきん)といった咀嚼筋が過剰に活動してしまいます。Kinoらの研究によると、日中無意識に歯を接触させる癖(TCH)を持つ人は、アゴの周りの筋肉に痛みを抱えやすいことが分かっています。これが睡眠中になると、意識のブレーキが効かないため、日中の食事の際の数倍〜数十倍もの異常な力(自分の体重以上の負荷)が歯や顎関節にかかり続けます。まさに、一晩中アゴの筋肉が「限界寸前の筋トレ」をしているような状態なのです。
2. 咀嚼筋の「筋トレ化」がもたらす4つのリスク
アゴの筋肉が鍛えられすぎて過緊張を起こすと、お口の中だけでなく顔全体の印象にまで悪影響が及びます。
- 歯がすり減る・欠ける・ヒビが入る: 強い力で擦り合わせるため、歯の表面(エナメル質)が削れたり、根元がパキッと欠けたりします。
- 「エラ張り」の原因に: 咬筋が過度に発達することで、顔の輪郭が横に広がり、顔が大きく見えてしまう原因になります。
- 歯周病の悪化: 歯を支える骨に過度な負担(外傷性咬合)がかかり、歯周病の進行を急加速させます。
- 慢性的な頭痛・肩こり: アゴの筋肉は頭や首、肩の筋肉と繋がっているため、アゴの疲れが全身の凝りや頭痛を引き起こします。
3. 今日からできる!咀嚼筋の「脱・筋トレ」リラックス法
寝ている間の食いしばりをゼロにすることは難しくても、日中の意識や寝る前の習慣を変えることで、アゴへの負担を大幅に減らすことができます。
① 日中の合言葉は「唇を閉じて、歯を離す」
パソコン作業中やスマホを見ているとき、無意識に上下の歯が触れていませんか?お口を閉じているとき、本来は上の歯と下の歯の間に1〜2mmの隙間があるのが正常です。デスクやパソコンのフレームなど、よく目に入る場所に「歯を離す!」と書いた付箋を貼っておき、気づいたらアゴの力を抜く練習(行動変容療法)をしてみましょう。
② 就寝前の「アゴのストレッチ」
お布団に入る前に、お口をゆっくりと大きく開けたり(痛みのない範囲で)、人差し指と中指で耳の下(咬筋のあたり)を円を描くように優しくマッサージして、一日の筋肉の緊張をほぐしてあげてください。
③ 睡眠環境のスマート化
枕が高すぎると、うつむき加減になりアゴが噛み締めやすくなります。また、寝る直前までスマホを見て脳が興奮していると、睡眠が浅くなり歯ぎしりが増える原因になります。
まとめ:アゴのSOSサインを見逃さないで
朝のアゴの痛みは、体からの重要なサインです。「たかが食いしばり」と放置していると、大切な歯にヒビが入り、最悪の場合は歯が割れて抜歯になってしまうケースもあります。
当院では、患者様のお口全体の噛み合わせのバランスをチェックし、咀嚼筋への負担を和らげるオーダーメイドの「マウスピース(ナイトガード)」による治療を行っています。ナイトガードを装着することで、歯や顎の負担を解消される場合も多くあります。
「もしかして食いしばっているかも?」と不安になった方は、ぜひ一度当院までお気軽にご相談ください。
参考文献
- Kino K, et al. Tooth contacting habit as a contributing factor to myofascial pain of the jaw. J Somatosens Mot Res. 2007.
自由が丘シーズ歯科・矯正歯科は月に1回のみ日曜診療を行なっております。平日は通院が難しい方はぜひご予約ください。

