審美的歯科治療

セラミック治療とは

セラミックは変色しづらく、表面性状が滑らかで細菌もつきにくいため、審美的歯科治療で多用されます。近年では、生体親和性と強度に優れたジルコニアセラミックの出現により、奥歯の被せ物や詰め物、ブリッジやインプラントなど幅広い使用が可能になってきました。
しかし、材質や審美性に優れていれば良い治療であるとは言い切れません。適合性に優れ、虫歯になりにくい環境を作り、長持ちしなければ満足感は得られないでしょう。そのために、時間をしっかり確保して処置や歯の型取りを丁寧に行なうことを心がけています。さらに、セラミックの5年間保証制度も設けているので、ご安心ください(料金表をご参照ください)。

補綴の種類

インレー

インレー

インレーはいわゆる詰め物のことで、虫歯を削った箇所を塞ぐために使用する人工物です。患部に合わせて形を作り、噛み合わせを調整して完成となります。クラウンよりも患部が小さく、歯の一部を補綴するときに適用します。
インレーには保険診療と自費診療があり、自費診療であればセラミックなど見た目が自然で機能性にも優れた素材を用意できます。

クラウン

クラウン

クラウンは被せ物とも呼ばれるもので、歯の上からすっぽりと被せるようにして補綴します。虫歯により大きく削った歯をカバーするために適用します。こちらもインレー同様、患部に合わせて形を作り、噛み合わせを調整していきます。
インレーよりも強度は高いですが、歯を覆うため銀歯の場合はとても目立ちます。自費診療のセラミックなどであれば、ほかの歯に調和した色合いになります。

ラミネートベニア

ラミネートベニア

歯の表面を少し削り、薄いセラミック製のプレートを貼り付ける治療です。おもに前歯に使われるもので、前歯のすき間や見た目などを改善します。歯列の中でもとくに目立つ前歯をきれいにしたい方、ホワイトニングで白くならない歯がある方、左右非対称で気になる歯がある方、すきっ歯の方などにおすすめです。クラウンと比べて歯を削る量が少ないというメリットもあります。

素材の種類

オールセラミック

オールセラミック

保険診療の補綴物には銀歯やレジンなどがありますが、見た目が目立ってしまう、変色しやすいなど審美面のデメリットがあります。自費診療のセラミックは陶材の一種で、透明感のある白さで天然歯のような見た目が特徴です。オールセラミックは100%陶材で作られており、透明感が高く美しい補綴物です。ただ欠損しやすく、強い力がかかる歯には不向きです。

ジルコニア

ジルコニア

ジルコニアとは粉末状の白いセラミックのことで、人工ダイヤモンドにも用いられるほどの高い強度が特徴です。また、セラミックでできているので、天然歯のように透明感がある美しい白さとなっています。セラミック同様に変色しにくく、歯肉を黒ずませるようなことはありません。金属アレルギーが気になるという方も安心して装着できます。

メタルボンド

メタルボンド

補綴物の中身が金属で、外側にセラミックを焼き付けた補綴物です。中身を金属にすることで強度を保ち、表面も白い歯のように見せることができます。また、オールセラミックに比べて価格を抑えられます。一方で、オールセラミックのような透明感までは再現できません。見た目と実用性の両方をある程度確保したい方におすすめです。

セラミックの再治療保証制度

装着日から1年以内 100%保証
1~5年 80%保証

※以下の場合は例外となります。

  • ブラッシング状態が非常に悪い場合、最低でも半年に1回のクリーニング、メンテナンスを受けられない場合
  • 糖尿病などの免疫の低下に関する疾患をおもちの場合
  • 噛み合わせなどの原因によって治療部位が清掃困難な場合
  • 歯ぎしりが原因となって問題を引き起こしている場合
  • 歯科医師から治療前に万全の状態ではないと説明があった場合

銀歯が気になっているのですが、銀歯を白くすることはできますか。
銀歯そのものを白くすることはできません。銀歯に関するご相談は多く、基本的にはセラミックなどの自然な白さを有した補綴物を歯型に合わせて作製し、銀歯の代わりに装着するという方法になるでしょう。
保険診療のレジンと自費診療のセラミックの違いを教えてください。
レジンは保険診療なので低価格で補綴物を作製できます。白いものではありますが、経年による変色が強く、実際レジンの変色で相談される方もたくさんいらっしゃいます。セラミックは透明感がある白さが特徴で、しかも変色しづらく長期にわたって美しさを保ちます。
セラミックの補綴物を入れた場合、ほかの歯に影響することはありますか?
セラミックがほかの歯に何らかの影響を与える可能性は、ほとんどありません。ただし、食いしばりや歯ぎしりなどの強い圧力がセラミック歯にかかった場合、割れる可能性があるので注意が必要です。もちろん、天然歯にもダメージを与える可能性があるので、健康のためにも改善した方がよいでしょう。
神経を抜いて黒ずんだ歯が気になっています。こうした歯でもセラミックを被せることはできますか?
セラミックの補綴物は、神経の有無にかかわらず被せることができます。黒ずんだ歯のほかにも変色が気になる歯がありましたら、ご相談ください。セラミックであれば、ほかの歯の色に同調するように色合いを調整し、装着することができます。
歯と歯肉の間が黒ずんでいるのですが、放置しても大丈夫でしょうか。
歯と歯肉の間が黒ずむのには、銀歯などの金属によるもの、歯肉が下がって補綴物内部の金属が見えているもの、虫歯になっているなど、さまざまな理由が考えられます。特に虫歯の場合などは治療が必要となるので、歯科医師にご相談ください。
オールセラミックの耐久性に不安があります。
たしかに金属に比べればオールセラミックは耐久性が低いかもしれませんが、接着剤などの進歩により以前に比べて耐久性が高くなりました。また、内部が金属でできているメタルボンドにすることで、強度をより高くできます。
オールセラミックを保険診療で作ることはできますか?
オールセラミックは自費診療となります。白いセラミックとプラスチックを混合した被せ物が保険診療となるケースもありますが、前歯と奥歯には適用できません。

【セラミック治療のリスク・副作用】

  • 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • 噛み合わせによっては、また歯ぎしり・食いしばりの強い方の場合は、ごくまれに割れたり欠けたりすることがあります。
  • 金属単体の詰め物・被せ物より、削る歯の量が多くなることがあります。
  • 事前に根管治療(神経の処置)や土台の処置が必要となることがあります。
  • 噛み合わせ・歯ぎしり・食いしばりの強い方には、破損防止のためのマウスピースの使用をおすすめすることがあります。

【ラミネートベニアのリスク・副作用】

  • 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • 噛み合わせによっては、また歯ぎしり・食いしばりの強い方の場合は、ごくまれに割れたり欠けたりすることがあります。
  • 金属単体の詰め物・被せ物より、削る歯の量が多くなることがあります。
  • 加齢により歯肉が退縮して審美的な支障をきたした場合、再治療の必要が生じることがあります。
  • 削る歯の量はごくわずかですが、歯がしみることがあり、症状が強い場合は神経を取ることがあります。